今回は【UX Tokyo Advent Calendar 2014】 の8日目としてお送りします。
既に同じような初心者側からの記事があがっていますので、今回はユーザー体験そのものではなく、それに向けてUIデザイナーとしてどう取り組んだかという話をします。
わかりやすいより、ワクワク
当たり前なんですけど、ゲームではワクワクすること・面白いこと・感動すること等が価値になってきます。
コンテンツや仕組みでそれらを実現できた時代もありましたが、それは今は昔。*3
UIを含めた構成要素全体でそこを目指すのが今の流れです。
誰かが必ずやらないといけません。
ワクワクするラフをつくる手順
- ディレクターから企画とその狙い・訴求ポイントなどをもらう
- どこが楽しいのか自分で咀嚼する。自分以外のユーザー層からも考える。
- どう伝えればユーザーが楽しんでくれるかストーリーを考える
- それを画面構成として手書きラフにする
- ラフをディレクターやプロデューサーにチェックしてもらい、修正
- Photoshopでの制作を始める。あとはそれなりに
(3)それらをビジュアルでどう表現するか考えるところから始めます。
ワクワクするには感情に訴えかけよう
体験>それを構成する感情のストーリー>それぞれの感情を想起させる構成要素
声に出して誰かに話す(つもりで)
本当に声には出さなくても、頭の中にユーザーを置いてその人につくっているゲームをアピールすると想定したら、どんな風にしゃべればいいでしょうか。
メンバーがちょっとでも笑うようなストーリーやラフを作る
まずは気心のしれたチームメンバーぐらい楽しませられるラフを作れるように心がけています。
デザイナーがUIをつくる前に
結局ストーリーがないとUIがろくに作れないってことがわかったし、なによりゲームが面白くなる保証がない。
僕の今までの手戻りの時間に比べればストーリー作る時間の方がはるかに短かったです。
なので、UIを作るよりストーリーを作ることを優先しようという話でした。*6
おまけ:わくわくできる小ネタ
こういうのをラフの時点から入れると楽しい画面ができるよという小ネタをいくつか。
ゲームニクス*8から引用したものや、先輩から教えてもらったものなど。
- 画面の上では常に何かを動かしておく
- 「はい・いいえ」などのコマンドめいたボタンのテキストをやめ、その場面に合わせたものにする
- UIパーツや機能をその世界観の中にある何かに例える
- ユーザーをほめる時は大げさに
- 今の画面は世界の中のどこにいるかユーザーに知らせる
- メッセージはなるべく相手の顔を出す
- 四角より丸。均等より不均等
あまり意味の無い補足
うちの会社では最近UI部なるものが発足したり、ゲームニクス理論を打ち立てたサイトウ先生に顧問になってもらったり。
近しい分野での活動が盛んです。
それらとは関係なく僕は1人でUXの勉強をしたり社内勉強会を開いて布教したりしています。
*2
または生暖かい目を。
ちなみにこのブログのH1はでかくて読みづらいのでH2から使うことがしばしばあります。
IA的にめちゃくちゃですみません。
*3
僕も含めブラウザゲームしか経験してないUIデザイナーは今(たぶん)苦労しています。
表示する機器の制約が大きく、ゲームシステムもヒットした某かの流用となると必然的にUIに求められることは少なかった環境では、多少のわかりやすさと、バナーやヘッダーなどパーツとしてのグラフィックへ力をかけることぐらいしかできませんでした。
その段階ではここで話すストーリーの力などは身に付くはずもなく、チームにそれをやる人が不在の場合、デザイナーができてないという話になりますが、しかし辛い。
と言っていますが、それは携帯電話ゲームの話であり、それまでの家庭用・携帯ゲーム機などがだいぶ昔に通り過ぎた場所であります。なのでデザイナーが今学ぶべきはAppstoreのランキングに並ぶライバルではなく任天堂だと思ったり。
*4
以前は(1)からダイレクトに(4)をつくっていたり、
場合によってはいきなり(6)からなんてこともありました。
その結果としては、わかりやすい(=読める)けどなんか楽しくない・思っていたのと違うという画面になり、やり直すことが多くチームに苦労をかけました。
その場合はみんなの頭の中にあるモデルがバラバラのまま話をするわけで、まぁいい意見もあれば見当違いの意見もあると。。
*6
もちろんチームにストーリーをつくる人が他にいれば、UIにフルコミットします。
個人的にはストーリーをつくる仕事もやれた方が結果的にUIの自由度もあがるのでUIデザイナーは進んでやった方がよいと思っています。
*7
今回の記事はデザインのラフをテーマにしたものだったので、あまり表に出せるものがなく寂しくなってしまいました。
LTや勉強会みたいなその場限りのスライドでなら見せられるものもありますので、
もしよければいつでもお声がけください。
また、こんなことしている僕におすすめのアプローチや書籍などの情報がありましたら、
ツイッターでもはてぶコメントでもなんでも構いませんのでご紹介いただけると助かります。
*8
サイトウ先生のゲームニクス理論についてはとりあえずこちらを見るとよいです。