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文字BOOK!日本語オススメ書籍3選

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日本語って面白いんです。
漢字とカタカナとひらがな。さらにはAlphabetまでごちゃ混ぜにして使ってしまう。
そんな不思議な日本語について、もっと知りたい!

というデザイナーにオススメ書籍のご紹介です。

その1.日本語の歴史

日本語の歴史 (岩波新書)
日本語の歴史 (岩波新書)
posted with amazlet at 11.01.28
山口 仲美
岩波書店
売り上げランキング: 20556

まずは歴史から。
これを読めば、
なぜ日本語には漢字とカタカナとひらがながあるのか、
話し言葉と書き言葉はなぜ違う?
などなど、これ一冊でヤマトコトバから現代日本語までその変遷を追いながら
大きな流れがつかめる、

まさに日本語入門書!

ちなみに僕が日本語に興味を持ったきっかけは、こんなおはなしを聞いてからでした。

日本語には、3つの表現方法があります。
例えば、うんこということば。
うんこと言いたい時に現代日本語では、3つの言い方があります。
それは、
「うんこ」
「糞」
「シット」

ひとつひとつの言葉を説明すると、
「うんこ」は古来から日本にあるヤマトコトバ(たぶん)
「糞」は、漢字で表現できるように中国の方から伝わってきた言葉
そして、「シット」は文明開化で日本にやってきた洋語

みなさんはこの中でどの言葉がすきですか?
ぼくは「うんこ」です。
「うんこ」ということばの響きを聞いておわかりいただけるように、
ヤマトコトバには不思議な魔力がありますね。

うんこ・・・・うんこ・・・うんこ。
うんこはうんこです。
漢語ではないので、漢字はありません。

糞(フン)は、分(フン)かもしれないし、粉(フン)かもしれない。
シットは、嫉妬かもしれないし、シットがうんこのことだって知らない人もいる。

こんな感じで、文字を持たないヤマトコトバは
聞いてすぐに理解できる言葉が多いのです。
おしゃべりがスムーズにできるように、発音の同じ言葉が少なくなるようチューニングされているのでしょうか。

ちなみに、おしゃべりは、「話す」「トーク」などとも言い換えられます。たぶんヤマトコトバでしょう。
「はなす」とだけ話されたら、放すなのか、話すなのかややこしいですねぇ~。

だからコピーライターの人は、CMやキャッチコピーなどでは、
なるべく一発で意味の通りやすいヤマトコトバを使うようにしているそうです。


あとは、書くという言葉と隠すという言葉が同じ語源で、それはつまり書くことによって本質が隠れてしまうからであって、武術の奥義は得てして口伝でしか伝えられなかったりなどなど。
原初の言葉だけあって万物の根源の本質的な表現が隠されていますね。
わたくし、ヤマトコトバへの興味がつきません。
もっとヤマトコトバについて学びたいのですが、
あまり書籍がなくてまだまだわからないことだらけです。
教えて偉い人!

と、最初の本紹介から長くなりすぎました!(汗

では次に行きましょう。

日本語のデザイン

日本語のデザイン (新デザインガイド)
永原 康史
美術出版社
売り上げランキング: 216458

さきほどは、包括的な日本語の「言葉」の歴史について書かれた新書でしたが、
こちらの本は、視覚分野からのアプローチで日本語の「文字」の歴史に迫った本。

小学校に入ったとき、なんの疑問もなく四角いマス目の中に文字を書く練習をしていましたが、
なぜ、四角の中に収めなくちゃいけないのか。その謎がわかります。

筆書き・活版・写植・ドットで表現されたデジタルフォントと進化してきて、次はどんな文字が出てくるか!
わかっちゃいます。

文字をもたないヤマトコトバがあって、漢字がやってきて、女手と呼ばれるひらがなができて、
カタカナ、そしてアルファベットがやってくる。
そんな文字の変遷をほぼ全ページ図版入りで紹介していくという、
ヨダレ必至の内容になっております。

日本語ってきれいだなぁ~。とデジタル時代のぼくもうっとり。

扉にある、
「獲加多支鹵大王」の文字で有名な471年に制作された、金錯銘鉄剣から
現代のドットで表現されたデジタルフォントまで、その流れを図版でずらーっと並べた資料は
まさに圧巻!

ここだけでもぜひ見ていただきたいです!!!

文字はデバイスと共に進化してきたのですね。
それぞれの時代に、それぞれのデバイスに合わせて、
偉大な先人たちが、洗練させてきた日本語の文字表現。
あぁ、日本語ってきれいだなぁ~。
そんなことに想いを巡らせることができること間違いなしでございます。

デジタル時代のワタクシもデジタルデバイスのベストプラクティスとして、
歴史に残るような作品を残したい!と身が引き締まる次第であります。


というところでお次の本です。

その3.レタリングデザイン

レタリングデザイン
レタリングデザイン
posted with amazlet at 11.01.29
桑山 弥三郎
グラフィック社
売り上げランキング: 124604

あぁ、美しい文字がつくりたい。
そんなあなたにオススメなのがこの書籍。

本のとびらに、 <ようやくにして生まれたタイポグラフィの書> という
田中一光さんから推薦の言葉がのっている名著です。

いざ、文字つくろう!と思っていろいろな書籍を買ってみたのですが、
いまいちどうやっていいのかわからない。
そんな時に出会ったのがこの本。

漢字
カタカナ
ひらがな
アルファベットと数字まで(!)
それぞれ明朝体とゴシック体で、 一文字一文字、全体のニュアンスと
それぞれのエレメントがどうあるべきか、 詳細に書かれた、入門に最適な本です。
一番実践的な内容でした!

文字作りたいんだけど、何したらいいの?
という方はまずはこちらを読んでみてはいかがでしょうか。

1969年に書かれた本ですが、今も色褪せない名著です。
ちなみにこの本絶版ですが、中古が1円からという
なぜか激安本。
お買い得!

 

ということで、3冊紹介させていただきました!
ここまで紹介してきて気づいたのですが、日本語おすすめ本は全部表紙が赤!
赤い日本語本は、いい本ということでしょうか。
それはさておき、まだまだ紹介したい本があるのですが、今日はここまで。

レタリングデザインの序文に書いてある、原弘さんのお言葉でしめたいと思います。

「何はともあれ、すぐれた美しい文字をもつことは、民族の大きな財産といわなければならない。」

うーん、あっぱれ!