カヤックの受託向けラボチーム「BMCL(ブッコミ クライアントワークラボ)」のデザイナー、佐藤ねじです。先月「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズの中で登場する「電脳空間」を作ったという記事を書きましたが、続いて今回は、吉本興業さんとコラボして、インタラクティブ漫才「つっこめ屋」を制作しました。
マネキンにつっこんで、漫才を疑似体験!
これは、お笑い芸人のNONSTYLEの、つっこみ担当「井上さん」を体全体で操って相方の「石田さん」のボケにつっこむアトラクションです。リアルにつっこんだ触感を味わうために、ユーザーの隣にはマネキンを立たせ、そのマネキンにつっこみを入れると、それがスイッチとなり、つっこみが発動します。つっこみが成功すると、石田さんはふっとんだり、肩が爆発したり、いろんな仕掛けを用意しています。実際にその様子を見てみましょう。
つっこめ屋の動画
NONSTYLEさんには、このアトラクションのために、新作ネタを4本書いてもらっています!
この企画は、4月29日(金)から5月8日(日)までのゴールデンウィーク期間中、吉本興業さんが表参道ヒルズの開業5周年のテーマ“SMILE”にちなんで開催中の、東日本大震災へのチャリティーイベント「Smile Bazar」のために制作された展示の1つです。この他にも、TwitterやUSTREAMとも連動し、会場の外からでも参加できる企画が満載です。
スマイルバザールの情報はこちら!
プレイ中の様子
プレイヤーの横には石田さんの衣装を着たマネキンが立っています。彼につっこむとそれがスイッチとなり、つっこみが発動します。スクリーン内の井上さんとプレイヤーの動きは同期するため、つっこんだ感を味わうことができます。
つっこみアクション、一挙公開!!
石田さんにつっこむと、通常のつっこみではありえない破壊力で、石田さんを吹っ飛ばすことができます。これもインタラクティブ漫才ならではの醍醐味です。このエフェクトを再現するため、様々なバリエーションの静止画の石田さんを撮影し、アニメーションを作成しています。
1:どつかれた衝撃で、奇面組のようにちっちゃくなってしまう石田さん。
顔の大きさを変えないまま縮小させる所がミソです。
2:ビリヤードの玉のようにフレームにぶつかり、跳ね返る石田さん。
首の角度違いを何カットも撮影することで、フレームにぶつかったときのバリエーションを表現することができます。
3:鼻血飛び出る石田さん。
液体が床に跳ねる感じを丁寧に描くことで、液体感を表現することができます。
4:高速回転し始め、パンツ一丁になってしまう石田さん。
45°ずつの回転から、除々に90°回転に移行させることで、高速回転っぽさを表現します。
5:井上さんの寒いセリフに凍ってしまった石田さん。
つっこみによって解凍。氷の際の部分を丁寧に描いて、氷の質感を描きます。
6:耳から変な煙が出る石田さん。
煙らしい動きを見つけるために、動画をいろいろ見て、煙感を研究。コマアニメのように1コマずつ描いています。
7:大爆発する石田さん。
爆発のあとに上にキノコのように盛り上がる煙を描くことと、破片を飛び散らせることで、強烈な爆発に見せることができました。
8:ジェット噴射で飛んでいく石田さん。
ぐるっと半円を描くように煙が動くことで、ジェット噴射感を出しています。
9:スクリーンに突撃する石田さん。
衝撃の瞬間、劇場全体を揺らすことで、カメラに衝突した感じを描きます。
10:魂が抜けていく石田さん。
単調な演出にならないようにするため、抜け殻の方の石田さんの体を高速で上下に揺らすことで、魂が抜けていくという一大事をドラマチックに表現しています。
11:天からお迎えがくる石田さん。
天に召されていく感じを表情と腕のたるみ具合で、うまく表現しています。
おまけのワンポイントアドバイス
最後にワンポイントアドバイスです。今回、撮影からアニメーション作成、編集、プログラミングまでイメージをぶらさずにできたポイントとして、このコンテの存在が大きかったです。大量の動画&静止画カット/エフェクトを管理していくときに、全体を一望できる「紙のコンテ」は最強でした!
さいごに
実際にプレイしてみると、つっこみ成功時にいろんなアクションがあったり、笑い声や拍手が鳴り響いて、けっこう快感です。展示は5月8日(日)までですので、体験したい方はお早めにどうぞ!